2008年03月28日
民主・市民クラブ3月議会意見開陳原案
同僚の田中しんすけ議員(中央区)の民主・市民クラブ3月議会意見開陳原案です。私の意見も取り入れてくれています。
平成20年第1回福岡市議会定例会(意見開陳)
発言全文
私は、民主・市民クラブを代表して、本会議に上程されております平成20年度一般会計、特別会計及び企業会計の予算議案、条例案並びに関係諸議案について、いずれも原案に賛成の意を表し、討論を行なうものであります。市政各般につきましては、我が会派の代表質疑、補足質疑、特別委員会の総会および分科会で意見を述べておりますので、当局におかれましてはこれら意見に十分な配慮を頂きますよう要望しておきます。ここでは、特に重要な項目について、我が会派の理念に基づいて意見要望を申し述べたいと思います。
1点目は、財政運営の在り方についてであります。
吉田市長は、市長自身がその策定を手掛ける「財政リニューアルプラン」のスタートの年として、財政健全化の取り組みをより加速させるという決意のもと、平成20年度の予算編成に取り組まれました。
財政健全化への取り組みの視点として、①歳入・歳出の一体的見直し、②資産・債務の圧縮、③システムや手法の改革という3つが挙げられており、それぞれの視点から事業の見直しや効率化が図られています。具体的には、「歳入・歳出の一体的見直し」という視点から歳入・歳出両面からの構造改革、特別会計および企業会計の経営改革、外郭団体の経営改革、「資産・債務の圧縮」という視点からアセットマネジメントの推進、保有資産の活用・売却、公債費負担の縮減、「システムや手法の改革」という視点から局区予算制度による経費の縮減、システム改革が掲げられ、これらの取り組みにより、109億円余の見直し効果が生まれています。
そしてその結果として、平成20年度の市債発行額を530億円、すなわち、平成19年度よりも市債発行額をさらに50億円以上抑制し、市債依存度を減少させました。さらに市債残高については、平成19年度末と比較して、一般会計については248億円の縮減、全会計についても440億円の縮減という、いずれも過去最大の縮減が達成される見込みです。
このような財政健全化に対する取り組み・努力については率直に評価をしたいと思いますが、わが会派としては、さらに「都市を経営する」という観点から、中長期的には以下の2つの視点を財政運営の指針として盛り込まれることを要望いたします。
ひとつは、「確固たる財政哲学」の導入です。わが会派の同僚議員が補足質疑の場において、日本の実践的財政学の第一人者である神野直彦教授の財政理論について言及しました。詳細については既に本議場で開陳されているので触れませんが、神野教授の財政理論の要点のみを申し述べると、「財政再建は重要であるが、それが目的化されてはならない」ということです。吉田市長においては、財政健全化を最重要課題の一つと位置付けられていますが、それならば「なぜ財政再建が重要なのか」、「何のための財政健全化なのか」、「どれだけ市債残高を減らせば財政が健全だと言えるのか」といった財政に関する様々な疑問に答えられなければなりません。この疑問に答えないまま財政再建に取り組んでいけば、借金を返すこと自体が目的化され、本来提供されなければならない公共サービスを犠牲にしてでも借金返済に血道をあげてしまう。先に紹介した神野教授は、確固たる財政哲学がないまま財政再建を推進すると、このような本末転倒の事態に陥りかねないと警鐘を鳴らしている一人なのです。
具体的な話をすれば、例えば現在、市債残高の多寡を分かりやすく説明する指標として、「市民一人当たりの市債残高」が採用されており、本市の市債残高を示す際にも多用されています。本市における平成20年度末の市民一人当たりの市債残高は、全会計で約184万2000円になると見込まれており、昨年度末と比較して、3万6000円減少していることは分かります。しかし、市民にとっては、この金額をどのように評価してよいのか分らない、すなわち、この金額が大きいのか小さいのか、適正なのかが判断できないというのが正直な気持ちではないでしょうか。適正な市債残高を示す指標を設定するのは困難な作業だとは思いますが、市民に対して財政状況を理解してもらう上で、また、市長の財政健全化に対する取り組みを評価してもらう上でも、本市における適正な市債残高や、その判断基準を示すことは重要な取り組みだと考えます。今後研究を重ねられますよう、強く要望しておきます。
もうひとつは、「戦略的都市経営」という視点です。ここで言う「戦略的」という言葉の定義は、「投資に対する収益の額を予測する」というものです。わが会派の同僚議員が総会質疑において、これからのアセットマネジメントについて、福岡市が保有する土地や建物を活用したときの税収予測までを計算することが重要である、と指摘しました。例えば、この土地を売ったら固定資産税がいくら入り、この施策を実行すれば本市人口がどれ位増加し、その結果市民税がいくら増加する。同様に、この経済政策により、これだけの企業誘致が進み、その結果法人市民税がいくら増加する・・・。このような視点を取り入れれば、「限られた投資でより多くの収益を上げるためにはどうすれば良いか」ということを考える動機が生まれ、様々なアイデアが検討されることになります。政策決定の際は、そこで生まれた様々な選択肢の中で、最も大きな収益を上げる政策を実行すれば良いことになり、その過程で当該政策の妥当性も担保されることになるのです。
とりわけ吉田市長が「市民の財産とする」と強く表明しているアイランドシティ整備事業に関しては、これだけ税金を投入すれば、将来これだけの税収・便益が市民に還ってくるといった点について、詳細な説明をすることが不可欠であると考えます。戦略的都市経営という視点から市政運営に取り組めば、市民に対して市政運営の在り方が正しいか否か、もっと噛み砕いて言えば、その税金の使い方が正しいのか否かを意思決定する「判断材料」というアウトプットが生み出されます。市民に対する便益をどのように評価するかという課題は存在しますが、戦略的都市経営を進める際に生み出されるこのアウトプットは、市政運営の在り方を伝えるツールとして、また、市民にとっては市政運営の在り方を判断する評価基準として非常に有用であると考えますので、中長期的にこの視点を今後の財政運営に導入されるよう強く要望いたします。
2点目は、こども病院等市立病院の統合移転問題についてであります。
市立病院の在り方については、市立病院統合移転事業検証・検討結果を踏まえ、病院事業運営審議会において専門的な見地から審議が行われているところであります。その答申を受けて、早急に市としての方針を決定するとともに、その事業化に伴う予算付けが速やか実行されるよう要望いたします。
また、病院運営審議会における議論とは別に、こども病院のアイランドシティ移転にあたっては、患者・家族のための教育・相談体制や宿泊施設など、広域的な中核施設に相応しいこども病院の総合的な周辺環境整備に取り組まれるよう、また、病院事業審議会の答申を受け、市としての方針決定を行う際には、今一度その方針決定至るまでの経過について、市民に対してできる限り丁寧に説明されるよう、強く要望しておきます。
3点目は、学校耐震化についてであります。
学校施設の耐震化については、平成18年3月に策定した「福岡市公共施設の耐震対策計画」に基づき、講堂兼体育館は平成22年度、校舎は平成27年度の完了を目標に耐震診断と必要な耐震改修計画を実施されているところでありますが、校舎の耐震化については、計画を前倒しした上で、平成23年度完了を目標として取り組まれるとのご所見をいただきました。
今後とも、早急に安全、安心な教育環境整備という観点から、学校耐震化を推し進められますよう、強く要望しておきます。
4点目は、障がい者自立支援についてであります。
障がい福祉サービスの利用者負担については、国の負担軽減策を補完する本市独自の軽減措置を講じるなど配慮されているところでありますが、平成20年度においても、利用者負担に対する本市独自の軽減策を継続するとともに、次期障がい福祉計画を策定されるという一連の取り組みに対して賛意を表するところであります。
さらに、移動支援制度を充実させ、障がい者の自立と社会参加を推進されますよう、強く要望しておきます。
5点目は、東部療育センターについてであります。
東部療育センターにつきましては、平成20年度から基本設計・実施設計に着手するなど整備を進め、平成22年度までに完成させる旨、当局の見解をいただきました。
東部療育センターの整備については、計画通りに平成23年度の開設を実現できるよう、遅滞なく取り組んでいただきますよう、強く要望しておきます。
6点目は、ウィルス性肝炎対策についてであります。
ウィルス性肝炎患者の医療費助成については、現在、国において関係する整備等が進められていますが、本市としても、肝炎ウィルス感染者の早期発見・治療に結びつけるために、無料肝炎ウィルス検査を実施し、検査の受診を促進していく。さらに、平成20年度からは、保健福祉局に担当主査を新設し、肝炎対策を推進していくとのご所見でありました。
引き続き、ウィルス性肝炎感染者に対する偏見などを無くし、早期治療の重要性を市民に理解してもらうために、ウィルス性肝炎に関する正しい知識の普及啓発を図るとともに、肝炎ウィルス検査の受診奨励に努めていただきますよう、強く要望しておきます。
7点目は、留守家庭子ども会事業についてであります。
我が会派は、留守家庭子ども会事業のあり方については市長が提出した基本利用料を無料とする条例案が、政策的合理性の観点から妥当であり、かつ現実的であると評価し、全面的に支持することを表明いたします。
その理由について、順を追って下記に申し述べます。
第一に、市長が提案した無料化案は、「子育ての社会化」という近年の政策的潮流に合致した、時宜を得たものであるという点です。内閣府が発行する『平成17年版・国民生活白書』においては、この「子育ての社会化」という概念の重要性が強調されています。「子育ての社会化」とは、内閣府の定義によると「子育てを家族だけの責任とせず、社会全体で何らかの子育てに参加できる仕組みを構築する取組み」とあります。さらに同書では、親だけでなく子供にも焦点をあてた政策を行い、国・地方公共団体・企業・地域等が一体となって持続的な社会を築くことで社会の構成員全員が次世代を担う子どもの育成に関心を持ち、一人ひとりが本来の子育ての持つ楽しさを取り戻すことが、子育て支援のみならず、女性の社会進出、ひいては少子化対策としても非常に重要であるという点が指摘されています。
また、公的部門を通じた世代間移転に着目すると、これまで年金財政などを通じて現在の子育て世代は負担超過となっていることから、税や社会保障の負担と給付のバランスを是正していくことも必要である点は広く認識されています。この点に関して国立社会保障・人口問題研究所が2005年に発行した『子育て世帯の社会保障』においては、保育政策の財源確保の方法として、高齢者に偏っている社会保障給付費の配分割合を見直して、子どもや子育て世帯への所得再配分を行なうシステムを構築することの重要性が指摘されているところでもあります。
このように、国や専門機関から指摘されているように、今日、わが国では税・社会保障の負担と給付のバランスが崩れ、とくに子育て世帯の超過負担になっていると広く認識されている中で、留守家庭子ども会事業の無料化は、子育て世帯の負担感を軽減させ、少子化対策のみならず、女性の社会進出を後押しすることに伴う男女共同参画社会の実現、さらには女性の就労拡大に伴う本市経済のさらなる活性化といった多くのアウトプットを生み出すという意味においても、社会政策の中の大きな柱の一つであることからその実現を強く主張するものであります。
第二に、自民党およびみらい福岡、ふくおかネットワークが主張する6年生までの学年拡大については、学年拡大に伴い生じる様々な課題や問題についての解決策を講じない状況での実施は、却って現状の留守家庭子ども会事業のサービス水準を著しく低下させるという懸念があることから到底容認できません。特に、子どもの視点からの検討が為されていないことは大きな問題であると考えます。年齢差の大きい1年生から6年生までの全学年が狭い敷地内での生活を共にする上での課題や問題については十分な調査・検討が不可欠ですが、この視点を欠落させたまま提出された条例案は現実性に欠け、無責任であるといっても過言ではありません。昨日の総会質疑において、ふくおかネットワークに対して「解決されるべき様々な課題が存在する中で性急な学年拡大を実施すれば、混乱を招くだけで、ふくおかネットワークが最優先課題だとするサービスの拡充にはつながらないのではないか」と指摘したところ、明確な回答はありませんでした。
第三に、現在留守家庭子ども会事業に導入されている「受益者負担原則」は、そもそも福祉政策の分野において受益者を個人から社会に拡大してきている国の政策方針からもずれたものであり、本来は無料化が望ましい施策であるにもかかわらず、受益者負担という誤った政策理念を導入したせいで、利用者の半数近くが減免対象となるような異常な制度設計が為されている点です。このような制度的欠陥はいち早く是正されなければならないということは、我が会派として強く主張するところであります。
そもそも福岡市の留守家庭子ども会事業は昭和41年度より開始され、その後40年以上は利用料という概念自体がなく、無料で運営されてきた事業です。そのような歴史を考慮すれば、本市の取組みは、「子育ての社会化」をいち早く制度として具体化してきたという点で、非常に先進的なものであったと再認識いたした次第です。そのような素晴しい制度であったものが、受益者負担という政策的観点からも誤った理念の導入により、利用料を徴収するようになったのは平成18年9月からであります。有料化の歴史は1年と半年程しかありません。40年の長きにわたり無料で運営されてきた留守家庭子ども会事業。本来は無料化が望ましい施策であるにもかかわらず、受益者負担原則が導入されたことにより、制度的にどのようになったか。受益者負担という誤った政策理念を導入したせいで、利用者の半数近くが減免対象となる反面、利用料が支払えない経済的に困窮している子育て世帯の子どもが退会を余儀なくされるという異常な制度設計が為されてしまいました。特に有料化の際に設けられた減免制度については、減免の基準を「就学援助を受けている世帯」に限定したために、それ以外の世帯が減免を受けられないという点で問題があることを指摘しておきたいと思います。また、政策理念的にみても、留守家庭子ども会事業が義務教育期の子どもの「放課後の安心・安全な生活空間」を提供する施策であることを考慮すると、親の収入の多寡により施策的な差別が行われることは非常に大きな問題であることから、留守家庭子ども会事業は原則無料として実施されることが望ましい点を強く主張いたします。
さらに、市民の皆様に対しては、福祉政策分野へ「受益者負担原則」を安易に導入することが如何に危ういことかをお伝えしておきたいと思います。有料化維持を主張する根拠として、「受益者負担の観点から、特定のサービスを受ける人がそのサービスに対する対価を支払わないのはけしからん」と言う旨の意見がありますが、そのような考え方は民間分野の経済活動の中では常識的であっても、公共サービスを受ける際には極めて例外的な考え方であるということを強調させていただきます。公共サービスを提供する際のその費用負担に関しては、様々な有識者が「都市生活に欠かせないサービス供給に必要な財源調達は租税・補助金などの一般財源に依存すべきであり、受益者負担制度の安易な拡大・導入は避けるべき」と主張しています。すなわち、公共サービスの提供においては、その財源は税金を中心に語られなければならないということです。「特定のサービスを受けているのだから、その対価は利用料として支払うべきだ」といわれれば、何となくそうなのかな、とお考えになる方もいらっしゃるかもしれませんが、公共サービスの供給に関してはそもそも皆さんが納められた税金が原資とし準備されていることを今一度思い起こしていただきたいと思います。
また、受益者負担を導入する際には、その政策的意義はもちろんのこと、財政的理由(すなわち、租税ではなく「受益者」を限定して利用料を徴収しなければならないとする理由)を明確にしなければならないとも指摘されています。有料化維持を主張する自民党・みらい福岡から留守家庭子ども会事業に対して受益者負担を導入する理由に関して、ただ「受益者負担」と叫ぶのみで、政策的合理性の観点から一言も語られていません。「一般財源を子育てに傾斜するのはおかしい」という、財政面での所得再分配のあり方という視点から反対するというのならば、政策論争としての議論に値するとは思いますが、「特定のサービスを受けるものは対価を払うべき」という理由での有料化維持は、公共サービスはそもそも租税負担で賄うべきという原則から言えば、的外れな主張であると言わざるを得ません。
そして、受益者負担はともすればその適用範囲を容易に拡大・利用されやすい性格を持ち、しかも市民への負担転嫁が行なわれやすいので、その適用は慎重にならなければならないという意見も通説的なものです。例えばもし、留守家庭子ども会事業に対して受益者負担原則を徹底しようとすれば、利用者一人当たりの月額利用料は現行の3,000円から15,000円に跳ね上がることになります。昨日の総会質疑において、自民党およびみらい福岡に対して、受益者負担原則の視点からすると利用料の値上げもありえるのかという質問に対しては、値上げを否定する明確な回答はありませんでした。受益者負担の原則を導入するということは、本市が少子化対策として充実させてきた乳幼児医療や第三子優遇制度を有料に戻したり、支給制限を導入させたりする根拠ともなってしまい、それが安易に拡大・利用されることにより、生活に密着した公共サービスに対しては常に値上げ圧力を生じさせるという観点から、留守家庭子ども会事業のみならず、子育て施策における受益者負担原則の導入は到底容認できるものではありません。
有料化維持のもうひとつの根拠として、「留守家庭子ども会事業を無料にすれば、留守家庭子ども会に子どもを預けていない世帯との間に不公平感が生じるのではないか?」と主張される方がおられますが、我が会派は、その指摘は当たらないことを指摘しておきます。なぜなら、留守家庭子ども会事業で提供される「放課後の安心・安全な生活空間」は、あまねく等しく全ての学童に保障されるべきナショナルミニマムであると考えるからです。例えば、一連の障がい者施策に対して、健常者との間で不公平感が生じると指摘する人はまず存在しないでしょう。それは、支援無しでは保障されるべき一定水準の生活レベルに達することができない人々に対して、公的な支援を行うことにより健常者と同様の生活水準、すなわちナショナルミニマムを保障する施策だからです。さらに、留守家庭子ども会に子どもを預けている世帯は、父親母親ともに就労している世帯です。仕事をしている母親は、税金を納めることにより公共サービス提供のための原資を拠出していることを考慮すれば、働く母親を支える様々な子育て施策に税金を投入することは、所得再配分の一環としても妥当であると考えます。これらの理由により、「留守家庭子ども会事業を無料にすれば、留守家庭子ども会に子どもを預けていない世帯との間に不公平感が生じるのではないか?」という主張は当たらないことを明言いたします。
以上のような理由から、自民党およびみらい福岡、ふくおかネットワークが提案した条例案並びに条例に対する修正案は、性急な受け入れ学年の拡大により現行制度と比較してサービス水準が著しく低下する恐れがあり、また受益者負担原則の導入により福祉政策や社会保障政策の理念を捻じ曲げるという点から到底賛同できるものではありません。わが民主・市民クラブは、市長が提出した基本利用料を無料とする条例案について、政策的合理性の観点から妥当であり、かつ現実的であると評価し、全面的に支持することを改めて表明いたします。
そして最後に、福岡市2011グランドデザインについて意見を申し述べたいと思います。
吉田市長は、市民生活の充実と都市活力の創出を実現するための基本構想として、平成20年度中に「福岡市2011グランドデザイン」を策定することを表明されています。さる平成19年11月には、この福岡市2011グランドデザインの柱として、政策推進の基本方針、特に力を入れていく分野を提示するための「政策推進プラン」、行政運営の仕組みや発想、手法の見直しの方針となる「行政改革プラン」、本市財政のあるべき姿、財政健全化への取り組みを示した「財政リニューアルプラン」という3つのプランについて、それぞれの概要が公表されました。
この「福岡市2011グランドデザイン」の策定公表は、言い換えれば、「吉田市長が目指す将来の福岡市の姿」を、市民に対して初めて体系的に示す機会ともいえましょう。市民は、このグランドデザインを見て、一昨年の市長選挙において信任を与えた吉田市政を再評価する、福岡市2011グランドデザインはその際の市民にとっての判断材料といっても過言ではありません。
今後、吉田市長においてはこのグランドデザインを通して、2兆6000億円を超す債務を抱える本市の財政実情、および中長期にわたる財政健全化に向けたきちんと市民に示し、今後の市政運営に対する安心感を与えることが必要です。高齢者・年金生活者市民の医療・介護等の負担感を減少させるためのセーフティネットを張ることや、子育て支援の充実継続を約束することにより、「今後とも福岡に住み続けたい」と多くの市民に実感させることが必要です。そして、市内外を問わず多くの人々に「これからも福岡は活気があって、楽しいまちになりそうだ」そのような将来への期待感を与えることが必要です。
すなわち、吉田市長が福岡市のリーダーとしてやらなければならない最も重要なことは、このグランドデザインを通して、将来に漠然とした不安を抱えながら生活を送っている多くの市民に対して、「将来に対する安心感、期待感」を与えることなのです。将来に対する安心を実感することができれば、人はそのまちに住み続けるでしょう。将来に対する期待感を抱くことができれば、自然と人はそのまちに集まってくるでしょう。
現在、国民の間には、非正規雇用の拡大や年金の問題、さらには生活用品の物価上昇など、身近な生活に関する不安が広がっています。市民は、これまで自らの生活を守ってきた年金・医療・介護・子育てなどの公的なセーフティネットの綻びを実感するとともに、雇用と景気の見通しが立たないという「将来への漠然とした不安感」を抱きながら日々の生活を送っています。吉田市長が示すグランドデザインが、そのような多くの市民が抱く不安感を払拭し、さらには将来に対する安心感、期待感を与え、このまち全体に元気と活力を生み出す起爆剤となることを心より願うものであります。
以上を持ちまして、民主・市民クラブの賛成討論とさせていただきます。長広舌に及びましたことをお詫び申し上げるとともに、とりわけ、本定例会、特別委員会の総会、および分科会において大きな議論が繰り広げられました留守家庭子ども会事業の在り方につきましては、先に申し述べましたわが会派の政策理念に対して、議員各位のご賛同賜りますよう強くお願い申し上げて、討論を終わらせていただきます。最後までご清聴、真にありがとうございました。
- by 山下けんじ
- at 16:21

